日本総合口腔医療学会・第15回学術セミナーで歯周病について講義をしました

2018/02/20
日本総合口腔医療学会・第15回学術セミナー歯周病

2018年2月12日、日本総合口腔医療学会にて

獣医師・獣看護師に向けての歯周病の講義とスケーリングの実習を行いました。

 

ペットの歯周病も人間と同様に深刻で、治療のニーズが多いにもかかわらず、

現在の大学獣医科のカリキュラムには口腔・お口についての教育はありません。

 

動物病院では、

大学を卒業してから専門知識を独自に学んでお口の中の治療を行っている先生もいれば、

なんとなく見よう見まねで

「よくは知らないけど、こんな感じで歯石をとればいい感じになるみたい」

というレベルの病院もあるようです。

 

私もそのような現状だと言われた時は、信じられない思いでしたが、

実際に専門知識を学んでいる獣医師はほんのわずかで、

誤った知識による中途半端な処置を行ったことによるトラブルが後を絶たないそうです。

 

そこで日々、歯周病治療を行っている歯科医師・歯科衛生士の話を

聴きたいというお声掛けをいただいて、講義をさせていただきました。

 

ペットでも人でも“歯周病の原因や進行過程”は同じ経過をたどります。

私の担当は、

なぜ、その治療行為を行うと歯周病が改善するのか?

について理解を深めていただくために、

・歯周組織や歯周病の基礎的な内容、

・歯科医院ではどのように診査・診断を行っているのか?

・治療を進めるうえでのポイント

についての講義でした。

 

歯科衛生士は

実際の治療中、

どのような器具を用いて、どのように処置を行い、どんなことに注意を払っているのか?

について講義をしました。

 

その後、歯石を除去する実習を行いました。

 

ただ単に目の前の歯石をとることに意識を向けるのではなく、

治療行為として

なぜその病気が起こるのか?その時、体はどうなってしまうのか?

治療の開始と終了の基準はどこなのか?

といったことを

きちんと説明ができて、根拠のある治療が行えて

ペットの健康寿命を延ばして、ペットと飼い主さんの幸せを守っていけるように

歯科医師・歯科衛生士もお手伝いできたら幸いです。

 

貴重なお時間をありがとうございました。