●来院のきっかけは
「何度も奥歯のかぶせ物が欠けちゃうんです」
5年くらい前に近隣の都市で歯列矯正を行い、その後セラミックのかぶせ物を作製した。
という事でしたが、それからの5年の間に
3回も、セラミックが割れて作り直しをしたそうです。
そしてまた割れてしまいました...と、悲しい表情。さらには
矯正治療後、右側の顎の関節がガクガクして、偏頭痛も起こっているそうです。
これまでは壊れるたびに、
施術した歯科医院で無償の再作製をしていただいていたようですが、
「新たに治療費が掛かっても、こちらで一度診てほしい」
というご希望がありました。
●なぜ、何度も壊れて、顎が痛いのか?
咬み合わせの機能的なバランスが取れていないからです。
見た目の改善のために、何となく前歯をきれいに揃えるだけの歯列矯正は危険です。
矯正治療によって、前歯はきれいにそろったような感じがしますが、
模型による【噛み合わせの検査】によると
お口の中が斜めになってしまっています。そして
Ⅱ級2類・過蓋咬合という咬み合わせで
前歯の咬み合せが深く、下顎の奥歯がせり上がっています。
機能的な問題が無ければ、個性の範囲ともいえますが、
多くの場合、いろいろな形で不具合が発生していることが多い
咬み合わせの状態です。
昔、歯列矯正したけど「咬み合わせがおかしい」「顎が痛い」というご相談は、
実は当院では、とても多い相談内容です。
ただ前歯の見た目を揃えただけで、
機能的な調和まで考慮した治療になっていなければ、
その時は良くなったような感じがしても、
長期的な視点では、余計に壊れていくことになりかねません。
本来は、『機能してこその美しさ』を追い求めるべきだと思います。
●治療は機能的な咬み合わせに改善することから
診査・診断の結果
このまま新しいセラミックを作製しても、また同じように壊れてしまいます。
まず、機能的に、
全体が同時に・均一に接触するように、奥歯と前歯の役割分担ができるように
咬み合わせの調整・形態修正を行います。
歯のポジションの問題もあって、理想的とまではいきませんでしたが、
何とか調和のとれた咬み合わせ機能に改善することができました。
この時点で、「全体が噛むようになって、顎が軽くなった」という評価をいただきました。
更に、歯の土台の高さを作る外科処置(歯冠長延長術)を行い、
しばらくプラスチックの仮歯で、壊れず・噛めるようになることを確認してから
咬み合わせに対する深い知識と高い技術を信頼している歯科技工士に依頼して、
セラミックの白い綺麗な歯を作製しました。
(歯科医師と歯科技工士が考え方を共有できていないと良い結果に結びつきません)
*キレイで自然な見た目
美しい口元は、歯が左右対称で、笑った時に上唇から2・3mm前歯が見えるものです。
1番目の歯に対して2番目の歯は1mm短く、3番目の歯は1番目と同じ長さ。
上下の歯の重なり具合。など、他にもいくつもポイントがありますが、
身体全体のアライメントに対するバランスも大切ですね。
頭の正中に対してどのような歯の位置づけになっているか?は、
口の中を覗いて見ているだけではわかりません。
きちんと頭の基準を採って咬み合わせ検査をすることが重要です。
*噛むことに不安が無くなった
もうセラミックが壊れる心配をしなくても大丈夫です。
更には
偏頭痛も起こらなくなった。という報告を受けています。
噛むことに対して余計な心配やストレスを感じることなく、
美味しいものを食べたり、おしゃべりをしたり、
友人や家族と楽しむことに意識を向けたいですよね。
●すぐに相談しましょう!
お口に不調があって歯科医院に行ったけど、
なんだか原因がわからず、あまり改善しなかった。
という場合、もしかしたら
咬み合わせに問題があるかもしれません。
もし咬み合わせが気になるようでしたら、相談してください。
歯は自然に良くなることがありません。
放っておけば、残念な時間が過ぎ去っていく一方です。
お電話をお待ちしております。